家庭用エスプレッソマシンの選び方:購入ガイド

家庭用エスプレッソマシンは、何年も使い続けるつもりで買うものです。そのためこの購入ガイドでは、技術の話ではなく、ご自身のことから始めます。何を飲むか、ミルクをどれくらいスチームするか、置き場所と時間はどれくらいあるか。読み終えるころには、シングルボイラー、熱交換式、デュアルボイラーのどれが合っているか、そしてマシンのほかに何が必要かがわかります。

マシンのタイプごとの仕組みは、すでに詳しくご説明しています。シングルボイラー、デュアルボイラー、熱交換式についての記事と、抽出グループの種類のガイドです。ここで扱うのは別のこと、つまり家庭用エスプレッソマシンを選ぶ前に考えたい質問の順番です。ひとつずつ答えていけば、スペック表を比べるよりも早く、ぴったりのマシンにたどり着けます。

1. 何を飲みますか:エスプレッソだけ、それともミルクドリンクも?

いちばん大切な質問です。マシンのタイプがこれで決まるからです。ほとんどエスプレッソしか飲まず、カプチーノはときどき作る程度なら、シングルボイラーで十分です。コーヒー用のお湯とスチームをひとつのボイラーでまかなうため、ミルクをスチームするときはスチーム温度まで上がり、そのあと抽出温度まで戻す必要があります。朝のカプチーノ1杯なら問題ありませんが、4杯続けて作るとなると話は別です。

よい例がProfitec GO 2.0です。PID制御付きの0.3L真鍮製ボイラー、58mmのリング式グループ、選択式のプレインフュージョンを備え、スチール製のボディは幅わずか21cmです。約7分で準備が整い、ミルクをスチームしたあとは自動で冷却されます。

エスプレッソの楽しみが何よりもいろいろ試すことにあるなら、Lelit Victoria3をご覧ください。こちらもシングルボイラーですが、圧力プロファイルで抽出します。圧力と時間を調整できる5つのステップに加え、コーヒーボタンには工場設定のプロファイルが2つあります。中煎りから深煎り向けの「Lever Shot」と、中煎りから浅煎り向けの「Modern Shot」です。パドルを使えば、抽出中にポンプの出力を手で調整することもできます。

2. ミルクはどれくらい?デュアルボイラーか熱交換式か

カプチーノやラテマキアートが毎日の習慣になると、抽出とミルクのスチームを同時に行いたくなります。熱交換式もデュアルボイラーもそれが可能です。違いは、コーヒーの温度をどう管理するかにあります。

熱交換式では、大きなボイラーが常にスチーム温度を保ち、コーヒー用のお湯はボイラー内の熱交換器を通るあいだに温められます。ボイラーひとつで動く、実績のある方式です。Rocket Appartamento 2.0はその代表例です。熱交換器付きの1.8L銅製ボイラーと、自然なプレインフュージョンを備えたE61グループを持ち、ミラノで手作業で組み立てられています。PIDもタイマーもない、あえてシンプルな作りです。

従来の熱交換式では、グループを適温にするため、抽出前に短い冷却フラッシュが必要になることがよくあります。新しいモデルは電子制御でこれを解決しています。ECM Mechanika Max IIは、ヒーター付きE61グループで直接温度を測り、90〜95°Cの範囲で設定できるPIDで保つため、冷却フラッシュは必要ありません。

デュアルボイラーでは、それぞれの役割に専用のボイラーと温度制御があり、コーヒーとスチームの温度を別々に設定できます。異なるコーヒーを異なる温度で淹れる方や、何人分ものミルクドリンクをよく作る方に向いています。Profitec Move 2.0は、デュアルボイラーでも大きくなくてよいことを示す一台です。0.27Lのコーヒーボイラーと0.75Lのスチームボイラーを備え、約7分で準備が整います。エスプレッソだけでよい日は、スチームボイラーをオフにすればシングルボイラーとして使えます。

デュアルボイラーか熱交換式かで迷ったときの、私たちの目安はこうです。毎日ミルクをスチームし、とにかく問題なく動くマシンがほしいなら、熱交換式で十分です。コーヒーの温度を細かく設定し、豆に合わせて変えたいなら、デュアルボイラーを選んでください。ミルクドリンク派の方におすすめのモデルはカプチーノ好きのためのマシンに、ボイラーが2つあるマシンはすべてデュアルボイラーのエスプレッソマシンのカテゴリーにまとめています。

3. 置き場所はどれくらいありますか?

ご注文の前に、作業台の広さだけでなく、ほかの寸法も測っておきましょう。見落としがちな寸法が3つあります。

  • 吊り戸棚の下の高さ:タンクに上から給水するタイプや、タンクを上に引き抜くタイプなら、マシンの上に空間が必要です。
  • ポルタフィルターを含めた奥行き:ハンドルが手前に突き出るので、楽に取り付けられるスペースが必要です。
  • グラインダーの置き場所:マシンのすぐ隣に置きましょう。そうしないと、エスプレッソを淹れるたびにキッチンを歩き回ることになります。

目安として、GO 2.0は幅21cmです。Appartamento 2.0は幅274mm、高さ360mmで、低い脚のおかげでほとんどの吊り戸棚の下に収まります。Mechanika Max IIは275 × 445 × 405mm、Move 2.0は高さ355mmです。

4. どれくらい時間をかけたいですか?

時間がかかるのは、ウォームアップ、ドリンクづくり、お手入れの3つの場面です。

ウォームアップ

エスプレッソマシンは、ボイラーとグループが安定するまで数分かかります。GO 2.0とMove 2.0は約7分、ヒーター付きグループのMechanika Max IIは約12分で準備が整います。GO 2.0やMechanika Max IIのように電源のオンとオフを予約できれば、朝にはもうマシンが温まっています。

ドリンクづくり

豆を挽き、粉を量り、ならし、タンピングして抽出し、ミルクをスチームする。エスプレッソマシンでカプチーノを作るには数分かかりますが、まさにそこが楽しいという方も多くいらっしゃいます。マシンが自動でこなしてくれることが多いほど、ご自身で調整することは少なくなります。たとえばMove 2.0は、対応するBluetoothスケールと組み合わせると、設定した重さがカップに入ったところで抽出を止めます(Brew-by-Weight)。

その対極にあるのがレバー式です。1961年から作られているLa Pavoni Europiccolaでは、レバーを使ってご自身で圧力をかけます。0.8Lのボイラーで、エスプレッソを8杯続けて淹れられます。練習は必要で、近道ではなく、淹れる儀式そのものを楽しみたい方のためのマシンです。

お手入れ

どのエスプレッソマシンにもお手入れが必要です。ポルタフィルターとシャワースクリーンを清潔に保ち、グループを定期的に洗浄し、水の硬度に応じてデスケーリングを行います。手助けしてくれるマシンもあります。GO 2.0にはグループの自動洗浄サイクルとガイド付きのデスケーリングプログラムがあり、Move 2.0はフィルター交換、洗浄、デスケーリングの時期を知らせてくれます。

5. 予算:金額ではなく価格帯で考える

価格は変わっても、考え方は変わりません。私たちは3つの価格帯で考えています。

  • エントリー:PID付きのコンパクトなシングルボイラー。エスプレッソと、ときどきのミルクドリンクに。
  • ミドルクラス:E61グループの熱交換式と、コンパクトなデュアルボイラー。毎日のエスプレッソとミルクドリンクに。
  • ハイエンド:温度とプロファイルを幅広く制御できるデュアルボイラー。ロータリーポンプや水道直結に対応するモデルもあります。

アドバイスが2つあります。ひとつめは、グラインダーの費用を最初から予算に入れておくことです。私たちの経験では、シンプルなマシンに良いグラインダーを組み合わせたほうが、高価なマシンに物足りないグラインダーを組み合わせるよりもおいしいエスプレッソになります。ふたつめは、スペック表ではなく、ご自身の毎日に合わせて選ぶことです。カプチーノを作るのが週末だけなら、デュアルボイラーは必要ありません。予算を抑えて始めたい方は、はじめての一台におすすめのセレクションで具体的なモデルをご覧いただけます。

ロータリーポンプか振動ポンプか?

よく聞かれる質問ですが、それだけで決め手になることはあまりありません。振動ポンプは、たとえばAppartamento 2.0、Move 2.0、Victoria3に使われています。Mechanika Max IIはロータリーポンプで、3Lのタンクからでも、水道に直結しても使えます。モデルによっては、水道直結ができるかどうかがポンプで決まります。Rocket GiottoとMozzafiato FASTは、ロータリーポンプ仕様でのみ水道に直結できます。水道直結をお考えなら、ポンプを確認してください。

グラインダーはマシンと同じくらい大切です

挽きムラを補えるエスプレッソマシンはありません。エスプレッソには、細かく均一に挽けて、挽き目を少しずつ調整できるグラインダーが必要です。挽き目をわずかに変えるだけで、抽出時間もカップの味も変わるからです。挽いてあるコーヒー粉では解決になりません。挽き目をもう調整できないからです。

ですから、予算は最初からマシンとグラインダーに分けて考えましょう。フラット刃とコニカル刃のどちらが合うかは、フラット刃とコニカル刃の記事でご説明しています。私たちのセレクションはエスプレッソ用グラインダーでご覧いただけます。

マシンのほかに必要なもの

エスプレッソマシンには、ちょっとした道具一式がつきものです。一部はすでに同梱されていることもあるので、付属品を確認してください。たとえばMove 2.0には、タンパー、ブラインドバスケット、ブラシが付いています。

  • グラインダー:マシンの次に大切な買い物です。
  • スケール:挽いた粉とカップのエスプレッソを量り、同じレシピを再現するために。
  • タンパー:ポルタフィルターの径に合うもの。たとえばGO 2.0なら58mmです。
  • ミルクピッチャー:ミルクをスチームするなら。
  • 水:水の硬度によって、デスケーリングの頻度が決まります。詳しくはもっとおいしく、水垢は少なくでご紹介しています。
  • お手入れ用品:ブラインドバスケット、グループ用の洗浄剤、ブラシ。

コーヒーコーナーを本当に使いやすくしてくれるアクセサリーは、コーヒーステーションが快適になるエスプレッソアクセサリー5選にまとめています。

電圧とプラグ:確認したいポイント

当店のマシンの多くには110 V仕様と220 V仕様があり、電圧は商品ページで選べます。イタリアをはじめヨーロッパでは、220〜240 Vの電源向けに作られた220 V仕様をお選びください。110 V仕様をおすすめするのは、カナダ、日本、台湾、アメリカのみです。

メーカーがプラグの形状と周波数を示している場合は、商品説明に記載しています。たとえばLelit AnnaはタイプF(Schuko)のプラグで、50 Hzでのみ動作します。ご不明な点があれば、ご注文の前にsupport@espressocoffeeshop.comまでお問い合わせください。

まとめ:どのエスプレッソマシンが合っていますか?

  • ほぼエスプレッソだけ、スペースは少なめ:Profitec GO 2.0のようなコンパクトなシングルボイラー。
  • エスプレッソでいろいろ試したい:Lelit Victoria3のような、圧力プロファイル付きのシングルボイラー。
  • 毎日カプチーノ、操作はシンプルに:Rocket Appartamento 2.0のような、E61グループの熱交換式。
  • ミルクをたくさん、温度は安定、水道直結も可能:ECM Mechanika Max IIのような、PID付きの熱交換式。
  • 温度を別々に設定し、カップに入る量もコントロールしたい:Profitec Move 2.0のようなデュアルボイラー。
  • 何よりも淹れる儀式を大切にしたい:La Pavoni Europiccolaのようなレバー式。

どれを選ぶにしても、グラインダーは予算に入れておきましょう。すべてのモデルはエスプレッソマシンのカテゴリーでご覧いただけます。1997年から、私たちはまさにこの選択でホームバリスタのお手伝いをしてきました。2台で迷っていらっしゃるなら、お気軽にご相談ください。どちらがご自身の毎日に合うか、率直にお伝えします。

カテゴリー: Espresso gear, Comparisons
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